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新しいリース会計

新しいリース会計
リース会計は複雑であり、昔から会計方法が統一されていないという批判がありました。財務会計審議会 (Financial Accounting Standard Board – FASB) は、この批判を受けて長年この問題を検討して、過去において3度リース会計についての提案をしてきました。最初がFASBの討議メモに仮の見解として発表したのに続き、2010年の提案会計原則更新案 (the proposed Accounting Standards Update, Leases (Topic 840))、そして2013年の提案会計原則の更新案 (the proposed Accounting Standards Update, Leases (Topic 842))です。この三つの提案をもとに、FASBは借手はバランス シートに資産と負債を計上すべきであるという結論を出したのです。上場会社の適用日は、2018 年12 月15日以降、それ以外の会社の適用日は、 2019年 12月 15日以降になります。
借手の会計 (Lessee accounting)
Topic 842は、借手はリース契約をバランスシートの上で資産と負債として計上すべきであるとします。昔は、オペレーティング リースでは資産計上はせず、損益計算書の上でリース料を計上するだけでした。借手はリース契約に伴う負債を計上し、リース資産を使用する権利 (リース期間に亘ってリース資産を使用する権利)を資産として計上するのです。契約期間を延長するオプションがついている契約については、そのオプションが必ず実施されるという確約がある場合にのみ、そのオプションの内容を盛り込みます。リース資産を購入するオプションがついている場合も同じ考えかたです。このオプションの履行、不履行の判断基準は前の会計原則の考え方と変わりありません。12ケ月以内の短いリース契約の場合は、リース資産と負債の計上をしないことを選択することができます。そしてリース期間に亘って均等にリース料を計上します。ファイナンスリースとオペレーション リースの区別は従来通りの方法を踏襲します。ファイナンス リースの場合は、リース料の現在価値で資産を使用する権利を表す価値を資産として計上し、金利と減価償却は別々に計上します。キャッシュ フローステートメントでは、負債の元本の返済は財務活動、金利の返済は事業活動の中に入れます。オペレーティング リースの場合、資産、負債の計上はファイナンス リースと同じであり、リース料はリース期間に亘り、均等に計上します。キャッシュ フローステートメントの上では、支払いは全て事業活動に入れます。
貸手の会計 (Lessor accounting)
貸手の会計は、以前と変わりありません。リース料収入は、オペレーテイング リースの場合はリース期間に亘り均等に計上します。リースは、貸手にとって収益獲得のビジネスなので、リース会計は収益認識の基準 (Topic 606以前の会計原則)に準拠しております。リースが資産売却としてみなされるのかは、借手が資産の使用をコントロールしているかにより決まります。そして、リース取引の金額、タイミング、キャッシュフローなどの詳しい脚注が要求されるのです。
山口 猛、パートナー
Yamaguchi Lion LLP
8/18/2018

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