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コロナ ウイルス関連の資金援助プログラム

アメリカのコロナ ウイルスの被害は、増える一方で、多くの失業者がでております。このような失業者を救済する為に、トランプ大統領は、2020年3月27日に、コロナ ウイルス被害者の保護、救済と経済安定保障法 (Coronavirus Aid, Relief, and Economic Security Act (CARES Act) の一部として、給与保証プログラム (Paycheck Protection Program (PPP))を発表しました。 総額3,490億ドルに及ぶ貸付金プログラムです。この詳細をみてみます。
対象になる経費は給与、 病欠、保険料、光熱費などの支払いになります。対象になる会社は、従業員が500人以下の会社であり (複数の場所に事業所がある場合、一つの事業者の従業員数が500人以下であれば該当する。但し、年間売上額に限度額がある)、非営利企業、自営業、独立契約者なども含まれます。中小企業庁 (Small Business Administration – SBA) のフランチャイズのリストに掲載されているホテルやレストランまたフランチャイズ形式の営業店、中小企業投資育成会社 (Small Business Investment Company) のプログラムを通じて融資を受けている中小企業なども対象になります。これらの対象企業は2020年2月15日まで営業をやっており、給料、税金 (給与源泉税) の支払いをやっていなければなりません。 このローンの申し込みはSBA、またアメリカ合衆国の財務省 (U.S. Department Treasury) が承認した銀行ないし銀行以外の会社を通じて申し込みます。そして、このローンの承認はこれらの銀行などが行います。ローンの申込期間は2020年3月15日から6月30日まで。ローンには限度額がありますが、最高1000万ドル。このローンの金額は各会社が支払う給料と連動し、給料の額に応じてローンの金額が決まります。このプログラムではSBAが、ローンの保証をします。ローンの保証は100%、期間は2020年12月31日まで。このローンの申請は、他の銀行で借入をしていても構いません。このローンを申請する為に は、このローンの使い道が、コロナ ウイルスの被害者の為であること、従業員の雇用を維持するために使われること、また同じ目的でその他のSBAの行ったローンと重ならないことなどです。このローンを得るために、特別にフィーは必要ありません。また担保や個人の保証を入れる必要もありません。金利は最高4%までであり、銀行が金利のレートを決めます。万一、ローンの前払いをした時には、前払いに関連するペナルティ又はフィーもありません。ローンの返済延長はまず6ヶ月、さらに6か月延長することができます。さらにこのローンの一部が免除されます。ローンをしてから最初の8週間で会社が使った金額が免除されるのです。ローンの免除を得る為には、金融機関に書類を提出します。このローンの免除は前年度と比較して従業員の数が減少している場合には、それに比例して減額されます。この8週間以内に従業員の再雇用がある場合には、支払ったペナルティは免除されます。12/31/2020までに免除されなかったり、支払いが残った場合には、このローンは、最高1年ローンに切り替えられます。その場合の金利は最高4%であり、SBAの100%の保証は継続されます。このローンの開始日以降8週間の期間の間に会社が使った費用が免除の対象になります。免除の対象になる費用としては、給与、2020年2月15日以前の住宅ローンの返済額、住宅ローンの支払い金利、家賃、又、公共料金の支払いです。ローンの免除については、借りた元本の額を超えることはできません。又、10万ドルを超える給与は対象になりません。ローンの免除の計算方法は、PPPプログラムが始まってから8週間の間に支払った給与、ローンの金利、家賃、水道光熱費ですが、給与については前年と同じ水準の雇用を維持するための給与ということであり、もし前年より雇用が減っている場合には減額されます。ローンの免除の為に提出する書類は、銀行のステートメントかチェックのコピーとなります。ローンの免除は書類を提出してから、60日以内になります。ローンが免除されない場合には、このローンは金利4%、最高10年間のローンに変更されます。SBAの100%保証は継続されます。しかし、募集が多く、最近、一時的に受付が中止になり、再開のニュースが待たれます。
山口 猛、パートナー
Yamaguchi Lion llp
4/18/2020

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