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寛大なアメリカの減価償却

トランプの税法改正は、企業に大きな恩恵を与えてくれました。その中の一つが減価償却です。アメリカの企業はこの寛大なアメリカの減価償却のお陰で企業の体質を強化しているのです。アメリカの景気が底堅いのもこのような思い切った税法の改正のお陰です。

初年度一括償却
税法179条資産というのがあります。どういう資産かと言うと、機械器具、ビジネスに使用する有形の動産、ビジネス用の車(重量が6,000ポンド以上)、コンピューター、コンピューターのソフトウェア、事務所の家具、事務所で使用する器具類などです。無形資産以外のほとんどのものが入ります。これらの資産は、購入した初年度に一括償却ができるのです。ただし金額はいくらでもいいというのではなく、限度があります。昔はその限度額は50万ドルまでとなっておりました。この限度額をトランプの改正税法は、100万ドルまでに引き上げたのです。更に、投資額が一定額を超えると、この一括償却額が減額されます。その限度額は 昔は200万ドルでしたが、これが250万ドルに引き上げられました。例えば機械の購入額が、260万ドルになると10万ドルだけ一括償却額が減額されます。100万ドルの一括償却額が90万ドルになるのです。それから個人が使用する不動産以外の不動産の改造費用が新たにこの税法179条資産に加えられることになりました。例えば建物の増築とかエレベーターやエスカレーターの新設、増設、その他建物の内部構造に関連する費用、屋根、冷暖房施設、警報、安全警備システムも入ります。この改正法の適用は2018年1月1日からになります。

ボーナス減価償却
初年度一括減価償却のほかに、アメリカにはボーナス償却というのがあります。これは100万ドルの一括償却を超える設備投資や資産の購入があった場合に適用されます。例えば260万ドルの機械を購入した場合、まず一括償却で100万ドルを償却します。まだ残り160万ドルがありますので、そのうち限度額250万ドルまでの金額、即ち、150万ドルをボーナス償却として償却するのです。ただし250万ドルの金額を超える額の10万ドルは一括償却から減額し90万ドルの減価償却となるのです。合計すると240万ドルの償却です。フィルム、テレビ、劇場プロダクションが新たに該当し、電気、水道、汚物処理施設、ガス、蒸気システム、ガス、スチームのパイプライン搬送施設は除外されます。適用は2017年9月27日以降2022年12月31日まで。

高級車の減価償却
高級車は年度により償却額が異なります。初年度1万ドルから次年度以降順次16,000ドル、9,600ドル、5,760ドルとなります。
不動産に適用される減価償却期間
減価償却には一般償却と特定資産に適用される代替減価償却がありますが、賃貸用住居の代替減価償却の耐用年数が40年から30年に短縮され、事務所、レストラン、小売り店舗などの改造費の代替償却期間は一律15年となります。

山口 猛、 パートナー
Yamaguchi Lion LLP
7/20/2018

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