米国公認会計士 三村琢磨(コスモス国際マネジメント)
先月に続き、OECDが2018年7月3日に発表した金融取引に関する移転価格ガイダンスの公開草案の後半に関する概要を紹介します。
(ヘッジ取引)
関連者間取引に関する為替・価格変動リスク対策として、先物、オプション等のヘッジ取引を本社等特定の拠点で一括して行う場合、それらヘッジ取引を行う拠点は各拠点に対しサービスを提供している為、 […]
米国公認会計士 三村琢磨(コスモス国際マネジメント)
IRSの大企業・国際部門(Large Business and International、以下“LB&I”)は、移転価格に関する通達(Memorandum)を新年早々の2018年1月に5つ発表しました。通達という事で内容はIRS内部における調査官向けの指示になりますが、LB&Iの調査対象となる納税者(資産$10百万以上)にとっても今後の調査の方向性を示す意味で重要と思われます。これら通達に共通する主な目的は、(1)移転価格に関する税務調査の未了事案が積み上がっている一方、米国の財政赤字によりLB&Iも人を増やせず処理能力が限られる事から、極力調査の効率を上げる必要があること、(2)その一方で近年は拙い税務調査で更正課税を行った事案が次々と裁判で納税者に敗れており、調査の質を上げる必要があることの2点と思われます。 […]
米国公認会計士 三村琢磨(コスモス国際マネジメント)
初めてGoogleの租税回避報道が行われてから約7年、2018年新年早々に、7年前当時と全く同じ方法で同社が依然巨額の節税を行っている事が報道されました。以下、米国大手メデイアBloombergの記事の概略を紹介します。
1.記事の概略
持株会社Alphabet Inc.傘下のGoogleは、2016年において、バミューダに所在する実体のない関連会社に、前年比7%増の159億ユーロ(約2兆1千億円)の所得を移していたことが、オランダにおける公的書類から明らかになった(最初に報道したのはオランダの新聞)。Googleは、米国外所得の大部分を税金から守るために、「Double Irish」と「Dutch Sandwich」という2つのスキームを […]
2017年12月20日、トランプ大統領は税法改正案に署名して法律 (Tax Cuts and Jobs Act)としました。クリスマス前に是非サインをしたいと言っていたトランプ大統領は両院の改正案の調整が終わって大統領のオフィスに届けられるやいなや直ちに署名するというあわただしいスケジュールでした。ロシヤとの間の選挙妨害の嫌疑がかけられて雲行きが怪しいトランプ大統領にとっては何とか国民の目をそらすヒットが欲しかったのでしょう。そしてこの税法改正は確かにアメリカのビジネスや個人の納税者の税金を大きく引き下げる改正なのです。下院、上院が調整した税法改正の概要を見てみましょう。
法人税に関する改正
法人税率
法人税率は35%から一律21%へ引き下げられます。2018年1月1日からの実施です。 […]